皆様こんにちは。
キャッシュフロー経営推進全国会認定講師の山口です。
さて、多くの中小企業のご支援をさせていただいていると、経営のパターンというか良いも悪いもいろいろな共通点が見えてきます。
そこで今回より数回に分けて伸び悩む社長の共通点について書かせていただきたいと思います。
社長の悩み
「業績がなかなか伸びない」
「利益率が向上しない」
「従業員が辞めてしまう」
「人手が足りない」
「社員の愚痴をよく耳にする」
「従業員が自分の意見をなかなか言わない」
「自分がいないと会社が回らない」
「もっと自分で考えて仕事をしてほしい」 ・・・などなど。
私がご支援を始める会社の多くの経営者は、なぜか共通してこのような悩みを抱えています。
とは言っても、経営者の多くは日々の業務に追われて会社の成長のために必要な経営戦略を描く時間や組織全体のマネジメントを見直す時間が取れていない場合がほとんどです。
では、なぜ多くの経営者がこのような状況に陥ってしまっているのでしょうか。
また、どのように改善したら良いのでしょうか。
業種や規模感によっても抱える悩みは様々ではありますが、売上規模で言うと1億~2億の会社の経営者によく見られる共通の悩みや問題を以下の大きく3つとし、それぞれ説明を加えたいと思います。
1.分業の仕組みができていない
2.社長が財務諸表を読めない
3.無駄な会議が多い(社長の独演会パターン)
1.分業の仕組みができていない
=業務分掌がなく、従業員の役割と責任範囲が曖昧になっている
伸び悩む会社に共通しているのは、まず業務分掌すらないということです。
つまり分業の仕組みがなく、役割と責任範囲が曖昧となり、いくら社長が立派な経営理念やビジョンを掲げていても、組織が言い訳だらけの責任転嫁組織になっていることが多いのです。
経営者と、ある特定の人にだけ仕事が集中しているケースや従業員各々が勝手に自分の視点や価値観で仕事を進め、自分のやっていることが正しいと思い込み自分独自の自分評価になり、できない理由を会社や上司のせいにして責任感がなくなっていくケースなどです。
このような組織では、社長は大抵こう言います。
「従業員が言い訳ばかりで全然言うことをきかない」
「不平不満ばかりを言ってくる」
「同僚や上司の悪口ばかり聞こえてくる」
「いちいち全部自分に聞いてきて仕事にならない、自ら考えて会社のために仕事をしてほしい」
業務に対する役割と責任の範囲が明確に定義されていない組織ほど、このような状態に陥り効率も生産性も悪く、思うように業績が伸びていかない会社がほとんどです。
業務分掌による分業
そこでまずお勧めしているのが組織図(組織図すらない会社もありますが…)に基づき役割と責任を明確化した業務分掌を作成し、組織に浸透させることです。
業務分掌による分業というのは【組織を構成する人それぞれの役割と責任範囲を明確にすること】です。
個人ごとに職務とその責任範囲を決めて、自らの力で完遂できる状態のことをいいます。
社長はもともと優秀ですし全部できるかもしれませんが、代わりにできる人を配置し責任を持って仕事を遂行してもらうことこそが組織づくりです。
伸びていく会社の経営者は、ほぼこの責任ある分業の仕組みを作っています。
逆に、伸び悩む会社にはこのような責任範囲が明確な分業の仕組みがなく、一致団結できず不平不満など愚痴がよく聞こえてくるなど、非生産的な組織から抜け出すことができなくなっていきます。
つづく