皆様こんにちは。
キャッシュフロー経営推進全国会認定講師の山口です。
先週から連続で【売上規模1億~2億で伸び悩む社長には共通点があります】をお送りしております。
2.社長が財務諸表を読めない
多くの経営者とお会いする中で感じることは、ビジネスで長きにわたり成功している社長は間違いなく財務視点からの組織運営をしているということです。
つまり自分なりの会計思考があり、会計の勘所を持ち合わせています。
会社が成長していくためには、財務諸表から経営状況を把握し、経営の舵取りをする必要があります。
ある統計によると、日本の8割以上の経営者が決算書を読むことができないというデータが発表されています。
財務諸表は会社の健康状態そのものを示す指標でもあり、改善するべきポイントなどを示してくれる大事な判断資料となります。
逆に言えば、決算書が読めないということは、地図を持たないで大海原を航海しているようなもので、命知らずと言っても過言ではありません。
「会計は税理士さんに任せているから、決算書を読める必要はないし、大丈夫!」などと思っている人は特に要注意です。
組織マネジメントにも影響
事業計画を社員に伝える際にこんなシーンをよく見かけます。
期末の3月31日、社員の頑張りでギリギリ予算を達成したその日に
今期はみんなよく頑張ってくれて目標の売上1億円を何とか達成できました。なので明日から始まる新しい期に関しては、対前年比110% 1億1千万を目標に頑張りましょう!
と声高らかに事業計画を発表される社長さんって結構いらっしゃいます。
これ、従業員さんの立場からするとどうでしょうか。
最後まで頑張り、死に物狂いで何とか予算を達成して、お給料は上がらないのにまた予算だけが上がる・・・モチベーションはがた落ちではないでしょうか。
一方で、普段から財務視点で経営をしている社長だったらどうでしょうか。
皆さん本当に最後まで頑張ってくれてありがとう!おかげさまで目標としていた売上と営業利益を達成することができました。そして新たに始まる期に関しては、当初中期計画でも発表しているように、何としても経常利益20%を達成したい。
それはなぜかというと、このコロナ禍でも経験したような不測の事態が起きた時にもみんなの雇用を守っていきたいし、お客様にも変わらぬ質の高いサービスを提供し続けたい。
そのためには今の人件費率を60%から50%以下にする必要がある。ただし、今の人員を削減するつもりもないし、給料も約束通り上げていきたい。
だからみんなで粗利を後500万は増やしたいんだ。
当社は粗利率50%だから、上げなければならない売上は前期に+1,000万円、だから今期は1億1千万を目標に頑張ってほしい。
このように経営者が財務視点による計数管理に基づいた説明をすることで、社員の納得度も変わってくるのではないでしょうか。
本日のまとめ
数字は嘘をつかないと言います。
財務諸表が読めるようになると、自社の問題点が浮き彫りになり場合によっては苦しくなることもあるでしょう。
でもそこにあるのは紛れもない事実、現在の結果なのです。現在の結果は過去の行いや考え方の結果でもあります。
ということは、これから先の未来の結果もまた、これからの行いや考え方で如何様にも変えられるということです。
これを【原因 結果の法則】と言いますが、現在の結果が仮に悪いのであれば、これまでのやり方ではダメだと教えてくれているということになります。
財務諸表は社長の行いや考え方を振り返るツールとして非常に有効だということを押さえておいていただきたいと思います。
財務諸表を読むということは、鏡で自分の顔を見るようなものです。
身だしなみを意識するように、是非財務諸表の知識を身につけ、会社の財務状態に対する意識を高めていただきたいと思います。
つづく