皆様こんにちは、キャッシュフロー経営推進全国会認定講師の渡辺です。
今年に入り「働き方改革」というワードが、かなり注目を浴びるようになりました。
弊社でも来期は健康優良企業『金の認定』にチャレンジします。
その一環として、「残業の削減」や「有給休暇の取得」に向けていろいろな施策を試行錯誤していきますが、一方で労働時間を短縮することで業績が下がるのでは実りがありません。
そのためには今よりも当然一人当たりの生産性を上げる必要があります。
生産性を上げるために社員の業務を一つ一つ洗い出してみると、本当に必要な業務にかけている時間の他に無駄に時間をかけている業務が意外と多いことに気付くことが多いものです。
その中でも海外から見ると謎だらけと揶揄される日本の「会議」ですが、これが多くの企業で無駄が多いといわれる業務の一つになっているのではないでしょうか。
先週会議についてお話しましたが、今回は“ムダになる会議”について更に深掘りしてみたいと思います。
テーマは、無駄な会議になってしまうありがちな原因です、こちらについて8つご紹介いたします。
①✅社内会議のために作成する資料が多い
無駄な時間が発生するのは会議を行っている最中だけではなく、会議が始まる前からすでに起きている場合があります。
特に会議のための資料作りはその典型とも言えます。
お客様に提出する資料ならまだしも、社内会議で使用するための会議資料であればキレイに作成する必要はまずありません。
にもかかわらずムダにキレイに作られていることもしばしば。
また中には、3時間も4時間もかけて会議資料を作成する社員も存在していることさえあり、会議資料を作ることが目的となってしまっていることもあります。
そういったことによって、無駄な残業が増えてしまうといった原因にもなりかねません。
②✅会議が始まってから初めて議題を知る
“社内会議の予定を入れられているが、何の話をするのかは知らされていない”
といった会議が定期的に行われている会社も多いと思います。
意見を出し合うような会議にもかかわらず目的を知らされていなければ参加者の大半が数分、数十分といった時間で意見やアイディアを出さなければなりません。
そうなってしまえば、本来であれば出るはずの意見や提案も出ずに終わってしまう可能性が出てきてしまいますし、事前に議題を知っていた一部の人の意見で話が進んでしまうことも考えられムダな会議の原因となりかねません。
③✅連絡事項や報告事項を伝達するだけの会議になっている
会議の目的の一つには、現状と目標のギャップを埋めるために具体的はアクションプランを決定することがあります。
ところが連絡事項や業績の報告を伝達するだけの会議に毎週時間を費やしてはいないでしょうか。
そのような会議の中には「メールなどで伝えれば十分」といったような、わざわざ社員を集めて行うほどの内容でないものも多数存在している場合があります。
直接伝えることで「重要性が伝わる」「共有されやすい」といった意図があったにせよ、参加する社員からしてみれば「本来の業務を行う時間が減ってしまう、時間のムダでは、、、」のように会議以外の業務を含め非効率の原因にもなりかねません。
④✅会議中に初めて資料に目を通す
会議が始まる直前や、会議中に資料が配られることも多いかと思います。
しかし会議の直前や会議中に配られても、資料を読むための時間ができてしまうためムダな時間の原因となります。
また、そういった時間を取らずに会議を進めても、しっかりと目を通していない参加者から有意義な意見や提案が出ることはまずないかと思います。
⑤✅時間を決めずに進行する、時間を超えることが当然のようになっている
ムダな会議や非効率な会議の中には「時間をまったく決めずに行われる会議」や「目安程度としてしか時間を制限していない会議」のようなものがあると思います。
また、時間が決められていても開始時間が遅れたり時間を超えることが当たり前となってしまっている会議が存在している会社もあると思います。
そういった終わりの見えない会議はダラダラと議論してしまったり、途中で参加者の集中力が途切れてしまう原因となりかねません。
⑥✅参加する意味のない社員も参加している
営業の話にもかかわらず経理担当者が参加していたり、サポートの会議にもかかわらず営業が全員で参加していたりとプロジェクトの進行に必要のない社員がいるほどムダな会議はありません。
確かに別部署からの意見が重要となることもありますが、中には会議で話し合われた内容をメールなどで共有し後から意見を求めたり、全員でなくとも全体を把握している管理職一人が参加すれば十分な場合もあります。
⑦✅会議で決まった事項が実行されない
会議で決定された事項が実行に移されないといったことほどムダなものはありません。
こうなる原因は多くの場合、決定された事項を『誰が』『いつまでに』実行するのか、またその実行が困難となったときに修正を行うなどの進捗を管理するプロジェクトの責任者が決定していないということです。
⑧✅意思決定のできる者が参加していない
会議を開いたものの意思決定を行える者がいないために最終的な結論が出せない会議も存在していると思います。
プロジェクトを立ち上げる場合にその最終的な決裁を行う決裁者が不在では議決は先延ばしになります。
また会社の方向性と全く異なる議論に時間を費やすことにもなりかねません。
まとめ
以上、ムダな会議になっている主な原因を8つご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
当てはまる項目もあったのではないでしょうか。
実際に社内会議に費やす時間はメンバー層で週3時間、部長級になると8.6時間と言われます。
これを年間に拡大推計するとメンバー層で154時間、部長級では434時間です。
メンバー20名、部長2名の会社では実に年間3,948時間にもなり、これにサラリーマンの平均時給2,453円を掛けると9,684,444円となります。
ムダな会議=約1,000万の企業の損失、と考えると恐ろしいですよね。
実際に日本ではメンバー層の約23.3%、部長級では約27.5%が会議をムダだと考えているそうです。
是非前回の記事も参考にしていただきながら、自社の『会議』についてももう一度考えていただければと思います。
少し長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。